全てのMVが出そろったのと同時に不満と満足感も出そろったので書き記しときます。
長いです。(原稿用紙16枚程度)
5位 Fashonista
意識してめちゃくちゃ期待していたわけじゃないのに落胆が大きいってことは案外期待していたみたい。レーザー綺麗、安室さんも綺麗。ダンスはふつー。申し分ないじゃんと思えるけどそれだけしかない。
全曲視聴のときに、Fashonistaはすっと英語が入ってこなかったから和訳せずいたけど、でもファッションのことを歌っているわけだからそれなりに凝ったものが出てくるのかと思ってたのですよね。
楽曲の視聴の時になんとも思っていなくて、フルを聴けた時のこんな展開予想してなかった凄い!やばい!ってテンション上げられちゃったもんだからMVに過度な期待を無意識にしてたんだろうなぁ…。
よって、ランキング結果は5位となった。
このMVのコンセプトはファッション=戦いって話してたけど、ばっくりしすぎじゃないっすかね。
半分しか公開されていないとはいえ、フェンシングが出てたりレーザービームが飛び交ってるからって戦いと言われてもファッションになんも結びつかない。
歌詞の世界観を表現するのがAnythingじゃなくて、FashonistaだったならばNEW LOOKクール版のようなものが見られたんじゃないかなーと思うと残念。
それにすこぶる衣装が好きじゃない。肩がふんわりしたやつ、どーーしても好かない。
こういうのだけ見るとめちゃかっこいい。
そして唯一嬉しいのは脱ニーハイ。今回すべてのMVでニーハイを脱いでいてAnythingは見れないけどナマ脚たくさん見れてとても満足。
第5位といいつつ、半分しか公開されていない上に1回しか見ていないから順位変わるかしらね。続きは6/10。
安室奈美恵 / 「Fashionista」-short ver.- (from New Album「_genic」) - YouTube
4位 Golden Touch
いろいろありすぎるこれ。- 楽曲に合っていない。(と思っていたのに、MVと一緒に見ちゃうとあってるように思えてしまう錯覚が憎たらしい)
- 安室奈美恵が2回しか出てこない。
- 出てくると言ってもジャケ写の使いまわし。
- タッチしている指が疲れる。
- インタラクティブなことを安室奈美恵のMVのなかで「安室奈美恵抜き」でやらされる圧力感
- このポップ感が好みじゃない
今回のテーマはリバイバルなわけで、待ち望んでいた安室さんR&B回帰で成熟した大人の雰囲気を醸し出し、歌詞のラブラブな世界観を表現してくるのかなーなんて思っていた私が間違っていたんですよね。
なおかつなみー出てこないでしょ。今までも出てこないDr、Defend Love、Aliveがあり、好みは別にして映像の展開の中でちゃんと安室奈美恵が組み込まれていたけど、これは完全に安室奈美恵の存在自体が不在。最後出てくるっと言ってもジャケ写の使いまわしで、せめてこのMV用に収録すべきでしょ。
ニュース記事にこんなことが書いてあった。
「Golden Touch」は、カンヌ国際広告祭をはじめ数々の受賞歴を持つ、クリエイティブディレクター川村真司率いるクリエイティブ・ラボ「PARTY NY」と、ニューヨークとロサンゼルスを拠点とする映像プロダクション「LOGAN」による作品。楽曲タイトル「Golden Touch」の“Touch(タッチ)”をコンセプトに、実際にビデオの中心を指でタッチしながら再生することで鳥が止まったり、ドミノ倒しがはじまったり、そして安室ちゃんと指タッチできたり。そんないろいろなタッチを疑似体験することができる、とても面白い疑似インタラクティブなMVだ。
「実際には触っていないのに、触っているような気がするような体験を作るために様々な試行錯誤をしました。どのくらいズームすれば押しているような気がするか、どのくらいのスピードで画面がスライドしたら物体を倒しているように感じるか。科学実験をしているような気持ちでいろいろ試すのがとても楽しかったです。」── 川村真司
安室奈美恵、レーザー飛び交う&タッチして楽しむMV同時公開 - 音楽ナタリー
インタラクティブって向こう側にいる(何か、誰か)と自分が双方向に繋がれる手段であって、そこに訪れる気持ちは楽しさや驚き。でも、楽しさや驚きは手段だけで満足できるか、と言うとそうではない。もっとも重要なのは向こう側にいる何か、誰か。
ここで必要なのは安室奈美恵でしょ。
安室奈美恵のMVを見ているのに、安室奈美恵と繋がれないインタラクティブなコンテンツなんて私は興味ないですよ。
制作者のコメントを見て推測すると、
自由に作ってくれる?(安室奈美恵が出演しないやつ)って、丸投げされたんじゃないかと思ったりする。
タッチのみがコンセプトじゃなくて、「安室ちゃんとタッチ」(もしくは安室ちゃんにタッチ)をコンセプトに作ってくれれば楽しかったのに。
もしくは、何かタッチする度に横になみーがちらっと映り込んで押す仕草してたらなんてかわいいだろうか。
と、ここまで書いてたら川村真司さんという方は「日々の音色」を作った人だと知った。
あのMVめちゃ楽しかったのよね。
そう思えたはこの方たちのファンではないからなのかもしれないし、どんなに技術・アイディア的に凄いことをされてても、なみーに限ってはなみーのMVになみーが出ていないなんて嫌だ!つまらない!、ってのがFAなんだろう。
見えることのできる楽しさを味わえるのがミュージックビデオなのになみーがいないのであれば音源で十分だ。
これはあれだね、ミュージックビデオじゃなくてプロモーションビデオだ。
この辺の定義って使い分けて言う人を見たことないからわからないけど、プロモーションビデオって言われたらTwitterで観測してるとみんな楽しそうに遊んだり見たりしてるから成功なんだろうね。
安室奈美恵 / 「Golden Touch」 (from New Album「_genic」) - YouTube
3位 Anything
なんかぁ、こういったやつじゃないのを想像してたんですよ。牧歌的で涼しげな風が流れていて、アコースティックギターが似合う草原、そう、Get Myself Backのような草原(とはいえゲマセのMVはあんまり)ロケ!ロケして欲しかったの!
なのにたっぷりとメタファーを盛り込んだ上に見た目が重々しい。
それに安室さんが人々の黒い闇を背負う必要なんてないんですよ。
ビルボード編集長の平賀さんが以前にツイートしてた「こんな痛みなど、こんな鎖など」って歌う姿に涙するコントレを見れば、闇を背負って皆の光となる・・・なんてコンセプトで打ち出さずとも安室さんは紛れもなく希望の光でしょうにね。私も泣きました。FEELでコントレを歌う安室さんの背中を見て。
こんな痛みなど、こんな鎖など、前に進む動力、過去は空に溶ける。and you'll see a contrail.これを安室奈美恵に歌わせた人、これを今歌おうと決心した安室奈美恵に惜しみない賞賛を贈りたい。こんな痛みなど!こんな鎖など!に昨日から通算30回ぐらい泣いてる。
— 平賀てくお'15(ビルボード) (@Tetsuo_Hiraga) 2013, 12月 11
でも、楽曲の世界観を壮大なスケールで描いてくれるたのはとっても嬉しい。ストーリー性があり隠されたメッセージを探るのはとても楽しい。そういった意味で好きなMVはHow to be a Girl、Dreaming I was dreaming、I HAVE NEVER SEEN。
ドリーミンに関しては以前考察を書いたのでご興味がある方こちらを見てみてください。(>>安室奈美恵 LIVE STYLE 2014まで後8日 - Twitterボットはディーバの夢を見るか)
Anythingのラストはあれだけじゃ終わらないらしいからどんなのが来るのか楽しみだ。
粉撒いてもいいよ。
また、MVと連動してGoogle Chromeの拡張機能が出たというのはかなり大興奮。パソコン好きにはたまらない仕掛け。
安室さんの拡張機能を入れる前までは、Google Art Projectを入れていて、タブを開くたびに世界の名画が表示される仕組みで、日替わりで変更される絵画を見て、全然知らないものばかりだしタブを開くということはもうすでに別のページに行こうとしているわけだから一瞬の時間なんだけど、画面いっぱいに広がる絵画を見て綺麗だなーって思えたり、これなんだろうってちょっとの間見たりして休憩にもなってた。
それを安室さんで味わえるとはなんとまぁ贅沢な。
この拡張機能を入れてからというもの、思ってたより作業を中断して見ちゃうことはなくて、タブを開く→URL欄にキーワードを入れる、この時に目はURL欄に行っているんだけどその周りで安室さんが動いてるのが目に入ってくるんですよ。ニヤニヤしながらキーワードを入れて次のページへと行くという、ながら鑑賞。あ~なんて贅沢だ。
Chromeはもう重いからもうやめようかと思っていたけどしばらく使うことにするけど、ひとつだけ文句がある。
おもくっそ重たいChromeが、安室さんの拡張機能入れたことによっても映像が流れるもんだからもぉぉぉっと重くなったYO!
新しいMacちゃんが欲しい。
安室奈美恵 / 「Anything」 (from New Album「_genic」) - YouTube
2位 Birthday
なんで2位かというと、_genicの中で歌詞・ダンス・映像がもっとも合致している。
タイトルとなっているBirthday(誕生日)の1日を描くというコンセプトで長回しのカットなしで撮影されていて、電話で呼び出されてみんなとワイワイして、パーティに行くのに着替えて最後にみんなで踊るっというハッピー感で統一されている。
そして、ハッピー感を1番に演じているのがもちろんなみー。素でめちゃかわいいのにハッピーを演じちゃうなんてめちゃくちゃかわいいじゃんね。
歌詞の世界観をとても分かりやすく表現されていると思うから、ストレートに見たままを素直に感じ私もハッピーになるミュージックビデオ。
安室奈美恵 / 「Birthday」 (from New Album「_genic」) - YouTube
1位 Stranger
堂々の第1位。
どのMVもコレに勝てない。FEEL楽曲も無理。今までで1番好き。(多分)
Strangerって初めて辞書引いたんですけど、(引いたって言葉久しぶりに使った。検索しました)「知らぬ人,他人; 客.不慣れな人,初めての人,未経験者」って意味なのね。知らなかったよ!
この曲も全然和訳していなくて、_genic出てからやろうかなって思ってたんだけど意味を理解していないから逆に印象が崩されることがなくてよかったのかも。
まぁ、歌詞を知っていたとしても、ドレッシーな黒ドレスでパンプス履いて、顔にレースを付けて怪しげな雰囲気醸し出して、デコルテ&肩甲骨全開で激しく踊られちゃってるから、歌詞なんてどーでもいい!なんて言ってたか可能性は大いにある。
また、セットがブロードウェイっぽい看板にgenicと書かれた電飾のみという安室奈美恵的シンプルさ。そして全体的にエロい。
このMVの何が好きかというと、映像の編集効果でもたらされる異なる時間の流れが幾重にも組み込まれ、それにより映像に躍動感が生まれていること。何よりも安室さんの身体の動きが美しい。激しい曲調とは対照的に終始ポーカーフェイスで歌い踊ってたかと思えば、最後の方で髪を振り乱して歌う情熱さ見せてくれるところ。
冒頭「genic」の文字から颯爽と歩いてくる足元のクローズアップ。時間とともに映像が幕のように徐々に上下が広がっていき、かつスローモーションのため時間もゆっくりと流れている。幕が開く=何かが始まるワクワク感。
黒ドレスに身を包んだ安室さんが優美に踊ってる姿を捉えているものの、カット割りが速くて全体像を把握できず眼に残るのは安室さんの手の一瞬の動きやデコルテ・顔も一瞬しか残らない。
間奏のアクロバティックな動き、新体操をしているダンサーさんを捉えるところはスローモーション。最後の方にはこのスローモーションの動きの中安室さん姿も入るわけだけど、サビあたりのカット割りが速すぎて安室さんを捉えることが難しかったのに、ここでは後ろに仰け反ったりターンする姿はじっくり見ることができとても印象に残る。
そして最後の方のシーンでは全員が静止する箇所も。
GENICの光る看板の前を歩いたりターンをしたりするシーンでは、浮遊感漂うカメラワークでカット割りが少ない。また他の箇所ではほぼ面だった映像が、ここでは斜めから撮影されていて、かつ看板が近いことで奥行きが出て広がりがあるから時間がゆっくり目になるもののスローモーションとは違った時の流れとなる。
シーンによって、見えてる時間の流れを変化させ、かつその映像が音楽とダンスにピッタリあってる。音が伸びるところはダンスの振りも伸び、映像もスローモーションだったり画が広がる(広角)。サビの盛り上がりの部分では畳み掛けるように歌い上げる声に合わせてダンスの振りも速くカットが小刻みに切り替わりクローズアップが増える。
特に好きなところは、25秒から27秒のたった2秒の中でどんだけ切り替わるんだよってぐらい速いカット割りしたあと急にピタッとカメラが静止し、安室さんの両サイドにいた男性ダンサーさんが女性ダンサーさんの腕がインサートされた瞬間に両サイドにはけて入れ替わるところのダンサーさんの動きが洗練されててめちゃカッコイイ。
1番楽しみにしていたシーン。
最後の「of love」と歌うシーンはどんな映像なのか楽しみにしてて、どうせ顔アップで両頬に手を当ててるやつでしょ?なんて思ってたら、なんとバストショットで口元のみ。
それもちょっと前まで顔出てたんだよ。おぶらぁ~の直前でカメラ動いて口元だけにするとか...。わかってるよね?ね?チラリズム。カット割りが速いのを好むのも、チラリズムが好きだからなんだろうなぁ。
ダンスをちゃんと見たい!って気持ちもありつつ、もしちゃんと見えてたら躍動感を感じてワクワクすることがなくなる。
毎回思うがこれはほんと難しい選択。
ダンスがちゃんと見える映像になると、ダンススゲーかっこいいにしかならなくて、編集の醍醐味を味わることはさほどない。でもStrangerのような映像だとダンスを犠牲(振りがちゃんと見えないという意味で)にすることで音楽とダンスと映像が融合した躍動感を味わえる。(選択とはいえ私に選ぶ権利はないんだけどね。好みの選択。)
Strangerこそマルチアングルくれ!
安室奈美恵 / 「Stranger」 (from New Album「_genic」) - YouTube
以上、_genicのMV見ての感想でした。
発売日前とは言えある程度出そろった結果、楽曲・MVをトータルで見るとあっさりFEEL越えしたかと思ってた_genicがMVの失速でFEELの圧勝となってしまった。
別に争っていたわけじゃないけども。
FEELは楽曲・MVともに新しさと驚きとワクワク感がずば抜けていて、MVに関しては全く違った安室さんを見ることができとってもバランスが取れていた。
安室さんが出演していないけど安室さんにづくしのAlive。バブリーな泡パーティーのなかでクイーンな装いで眺めてたり、たっかいヒールでバキバキ踊る姿はもの凄く格好良く、れみれちゅでは姫的装いでピアノを初披露した姿はとても美しく、コントレではまばゆい光の中子供たちと一緒に行進したりやターンしたりする姿がとても可愛かった。
改めて思うとFEELはやはり名盤だった。
楽曲だけ聞いていれば、新しさと驚きとワクワクは同じようにあったんだよ_genicさん。
_genicさん巻き返しとなるか。
続きは6/10!
「_genic」視聴時の感想(前編)はこちら>>
「_genic」視聴時の感想(後編)はこちら>>