物哀しいタイトルから、お久しぶりでございます。
「先に行ってしまったきみへ」とは、Def Tech「いのり feat. SAKURA」という曲の一節で、海の事故で死去したサーファー、佐久間洋之介さんに捧げられた歌。佐久間さんとDef Techのボーカル Microは学生時代からサーファー仲間だったそうだ。
話は少々さかのぼり1年ぐらい前だったかな、何を聴いていた時かは忘れてしまったんだけれども、iTunesの中に「いのり」のように亡くなった人に向けての歌がいくつかあるのに気づいて、それをまとめてプレイリストを作り、そのことをブログに書こうかなと考えていた。でも、タイトルが思うように決められなくて、プレイリストのタイトルは無題のままにし、またきっと書きたくなる時が来るからそれまで置いておこって思っていた。そして、それを書く時が来てしまった。ここしばらくブログもSNSも更新していなかった理由というのが、とても大切な人が私よりも先にこの世を去ってしまった。
悲しさばかり溢れる毎日で、死をどうとらえていいのか、ずっと考えを巡らせていた。しばらくしてからこのプレイリストの存在を思い出して、当初よりもいくつか曲を加えていき、言葉にできない気持ちを救い上げられるのと同時に深く悲しさがこみ上げてくる気持ちになりながら聴いていた。
頭の中で色々なことがぐるぐるし始めると、その度にぐるぐる渦巻いている言葉を時間がかかってもいいから頭の中から取り出し文章し整理してきた。そういうのが自分にとってとても落ち着く方法みたいだから、亡くなった人に向けられた曲について書くことを、今もっとも書けるときなんじゃないかと思う。
とはいえ、書こうと思ってからすでに1週間以上経っていて、昨日もパソコンを開くまではしたけど全然違うことをしてしまい今日こそはって思ったら、小林麻央さんの訃報があって、さらに気分が落ちてしまったんだけども、書かないとずーーーと頭のなかぐるぐるしちゃって前に進めないから書くね。
まずは、曲紹介。(後から加えた曲はまたあとで)
- think of me - 安室奈美恵
- 檸檬 Lemon - 加藤登紀子
- バタフライ - クラムボン
- きみはぼくのともだち - ハナレグミ
- いのり feat. SAKURA - Def Tech
- 道 - 宇多田ヒカル
think of me - 安室奈美恵
安室奈美恵 / 「think of me」Music Video - YouTube
このブログを読み続けている人なら誰もが知っている1曲。2001年に発売された曲で、プロデューサーのダラス・オースティンが安室さんのお母さんのことを綴った歌なんだけど、私はそれをどこで知ったのかが定かじゃないんだよね。この間マレーシアからさあや嬢が来たから聞いてみたら彼女もそういえばソースどこなんだろ・・・と言っていて、当時からのファンじゃない私たちはソースを掴めずじまい。当時の雑誌とかに書かれていたのかしら。どなたか教えてくださいませ。
think of meのMVは、ノーマル版とノーカット版の2種類あって、ノーカット版というのが初めから最後まで歌っている安室さんの姿なんだけども、途中から涙を流しそれを徐々にアップにし、途中でまた引いて行き最初の構図に戻るという手法で制作されている。2番のちょい前からすっと涙が流れ始め、そこから感情を露わにし歌いあげる安室さんの姿がある。不思議なことに、安室さんの歌にはどうもあまり感情移入はしないようで、他の曲と違って自分事にならず、特にMVを見ると安室さんの声や唇の動き、首の動きや目線に釘付けになってしまう。歌が自分事にはならないけども、この曲だけに限らずに安室さんが最愛の人の死から何を考えどんな道を歩んできたのか、考えずにはいられない。
「明日が見えない 迷子の心」
わかる。
安室奈美恵 think of me 歌詞
檸檬 Lemon - 加藤登紀子
2013年の終わりにほろ酔いコンサートに行った時に聴いた曲で、旦那様が亡くなった後に作られた曲だというエピソードのあとに聴いたもんだから号泣。家帰ってきて速攻iTunesで買ったんだけども、その前から持っていたアルバムに入っていてしかも1曲ごとに登紀子さんの説明付きのやつだったのにその時は華麗にスルーしていたとは驚きだった。
歌の中で印象的なのが、
あなたのいない夜も朝も ひとりきりのこの部屋で
同じように生きている 私だけがいる不思議
うまく言葉にできないんだけども、なんであの人は死んで私は生きているんだろうかと本気で不思議に思う。いつになったら不思議じゃなくなるんだろうか。私が生きていること、あの人が死んでしまったことが。昔もこういうことあったけど、あの時はいつ頃から不思議ではなくなったのだろうか。忘れてしまったのか、ずっと不思議のままなのかも。
加藤登紀子 檸檬 Lemon 歌詞
視聴はここから。
加藤登紀子 Universal Music LLC 2013-04-24
売り上げランキング : 118282
|
バタフライ - クラムボン
2015年、結成20周年に発売されたアルバムに収録されているバタフライ。
今ごろ ねぇ どの辺りを旅しているの?
最近めっきり夢には来てくれないね
あの子がわたしの前に消えてから世界は変わり
いつでもふと空を見上げて考えてた
あの子に話しかけ、自問自答を繰り返し続ける。
空の色 ブルーという言葉が沢山綴られている。そういえばジャケ写も澄み切った空の色 ブルー。腕を広げて飛んでいるようだ。「バタフライ あのときさいごに選んだ空の色 澄み切ったブルー」ってあるんだけど、自ら死を選んでしまったのかと思うような歌詞がある。そう思ってしまうのは、次に紹介する楽曲とセットで聴いてしまうからかもしれない。
クラムボン バタフライ 歌詞
視聴はここから。
クラムボン 日本コロムビア 2015-03-25
売り上げランキング : 52398
|
きみはぼくのともだち - ハナレグミ
永積タカシさんのソロ名義ハナレグミ。
2011年に発売されたアルバムに収録されていて、物凄く切ない。その切なすぎる歌詞を書いているのが先ほど紹介したクラムボンのボーカル、原田郁子さんでバタフライを書いたのも郁子さん。
眠れないのなら そばにいるよ
星の見えない夜
心の奥に沈む悲しみ
そこまでゆこう
自分をうまく出せずに わかりあえずに そっと 傷ついて
本当を探し続けるうちに
遠くまで来たんだね
バタフライもきみはぼくのともだち も説明を読んだわけではないから実際のところはわからない。ただ悲しい。
ハナレグミ きみはぼくのともだち 歌詞
視聴はここから。
ハナレグミ ビクターエンタテインメント 2011-09-07
売り上げランキング : 53605
|
いのり feat. SAKURA - Def Tech
Def Tech - いのり feat. SAKURA - YouTubeこの世の中は諸行無常。人の命も。
それでも大切なものは心のなかにあって、いつまでも見つめ続けられると。
でもさ、確かにそうなんだけど、自分の胸の中にしかもういないと分かることが、悲しみの深さが増す。
普通に生活している中で、誰もが常に目に見え存在している人なんて自分以外に誰もいない。だから存在として「いない」時間のほうが長い場合が多いから、「いない」方が日常。(一緒に暮らしていたりだったりとその限りではないけども。)その「いない」日常が、死ぬ=もう二度と会えないというたった一つの意識の違いで「いない」の重さがガラリと変わる。生きていたらきっとこんなには考えない。できることは、自分の胸の中でその人のことを考え語りかけることしかできなくて、もうその人との未来がないという悲しみが深く胸に刻まれる。だから、歌詞にもあるように、大きなこの喪失感に打ちのめされないように祈るしかない。いっぱい言い足りないこと「ありがとう」という言葉もこの涙と共に生まれてく。
Def Tech いのり feat.SAKURA 歌詞
道 - 宇多田ヒカル
サントリー天然水『水の山行ってきた 南アルプス』篇 60秒 サントリー CM - YouTube2010年に活動休止、2016年に活動が再開、発売されたFantômeに収録され、CMにもなったアルバムのメインテーマを担う曲。
最初プレイリストを作った時は「花束を君に」と「真夏の通り雨」を入れていたんだけども、あの人が亡くなってからその2つを外して「道」を加えた。多分、前に進みたい気持ちの現れなんだと思う。亡くなってからこの曲をふと聞いた時電車に乗っていて、始まった瞬間から涙が溢れだしちゃって、大泣きしないようにめちゃ我慢していたら降りる駅を通りすぎてしまってその瞬間涙が止まってちょっと笑った。
唐突だけど、曲の紹介はここでおわり。
他に追加した曲が安室さんのJust You and I、Def TechのThe Day Dream、LOL、クラムボンのFolklore。
冒頭にも書いたけど安室さんの曲に限っては他の曲みたく、歌詞に感情移入することが極端に少なくて(少しはある)いつでも声、歌い方に耳を澄ますことができて、その声の心地よさに包み込まれる。他の曲とは違った感情で涙が溢れるような気がする。いつもシャッフルで聴いているから次に何が来るかわからないんだけども、Just You and Iが来る時だけ、それまで頭の中をぐるぐるしていた思考から解放されて少しだけ健やかな気持ちになれる。
でも、音楽を聴くと気持ちが救い上げられる一方で悲しみも増してゆく。聴かないほうがいいのではと思ったり、明るい曲をなんて思われるかもしれないけどそれだけはマジで無理。落ち込んでいる時に明るい曲なんて聴いても全然明るくならないのが性格みたいなのでそれはもうだいぶ前に諦めた。
2,3日前はワンオクを聴きたくなり、そうやって聴きたい曲の変化が自分のバロメータにもなっていて、こう文章も書けてきているから少しづつ元気になっていると思う。ただ、以前のように安室さんのことがあったらちゃっちゃとブログを書くペースになれるかはちょっと分からない。もうすぐ沖縄ライブの詳細とか、期待されているニューアルバム発表だったりドームツアーなんてものがあるかもで、気持ちがついていけるかどうかそれも分からない。
以前よりも更新ペースは極端に減るかもだけど、マイペースに書いていけたらいいなと思う。あと、もう一つ書きたいのがあるからちょっと待っててね。スタダとAliveのこと書くよ。