TSUKIがスルメ過ぎる。(映画「抱きしめたい」を見てきた感想) - Twitterボットはディーバの夢を見るか

TSUKIがスルメ過ぎる。(映画「抱きしめたい」を見てきた感想)

2014/02/02 13:54
ESPRIQUEのせいで安室熱が浮上してしまって劇場で見るか迷ってたけど抱きしめたい見てきた。

期待してなかったというか、記憶障害の女性の実話ということぐらいしか知らなくて、タイトルだけ見てよくありがちのお涙頂戴映画とレッテル貼ってたのを謝りたいです。
本当にすいませんでした。

映画『抱きしめたい −真実の物語−』2014.2.1 ROADSHOW

レッテルを貼って見に行ってたわけなので劇的に泣かせようとする演出を想像してたらそんなの一つもなくて、カット割りが少なくて長回しで追ったり出演者の目が物語ってたり細かな演技や風景描写がとても目に焼き付いてる。

例えば最初につかさ(北川景子)がまーさん(錦戸亮)にお家でお茶を入れてあげるシーンでつかさが片手でお茶を淹れてて、そこで片手しか使えないということが分かったり、それを見続けるまーさん。
急須に注ぎ終わった後、お湯が飛び散っちゃったのかトレイをきちんと拭いてる仕草をしてて几帳面というかきっちりしてる性格なんだなぁとか、別のシーンでお母さんに結婚したいと告げに行ったところで、お前は1人じゃ何も出来ないと言われそれに腹を立て、いつもはちゃんできるのにできなくなるとか、
また、後半の方で今度はまーさんのお父さんがつかさの家を訪ねてきてつかさはお茶入れる。
掃除、できるのか?ってお父さんに聞かれ、
もっと散らかってるところ想像しましたか?障害者だから部屋が汚いって言われたくないんです、と答える。
 
そして、お茶入れる。トレイを拭く。それをお父さんはじっと見てる。
最初のシーンと全く同じ。

トレイをキチンと拭いたりするのがこの言葉に集約されてるんだよね。
そしてお父さんとまーさんそっくりっていうところも見てる人はそこでお父さんとの距離感が縮まる。めっちゃ反対してたからね、結婚することを。

他にも、まーさんの家に結婚したいことを告げに行ったけどまーさんのお父さんがめっちゃ怒ってて良い風に思われなくて、その帰りにまーさんがつかさをおんぶして海沿いを歩くシーンの海が荒れ模様だったのに対し、まーさんがつかさのお母さんに、子供ができたことを告白するシーンのバックの海の静けさ。
お母さんがその場を離れ画面から消えた後、僕らも怖いんですとまーさんが伝えるのところで、何故お母さんが画面から姿を消しまーさんが画面の右端っこに位置し、私達から見えないお母さんに向かって喋ってるのかっていう不均衡な画面を見て、不安定な気持ちを感じたりする。

まだある。つかさの闘病記やこどもが生まれたときのドキュメンタリータッチの1カメ長回しで目を離せなくなったり、つかさの状況の説明をまーさんのモノローグとせずに文字にしたこと。余計な感情移入しなくて済んだからこそ、最後の最後でまーさんのモノローグが心に残る。

僕と出会ってなかったら、つかさは生きていたのだろうか。
でも、僕と出会っていなかったら和実はこの世にいなかった。
そんなことを考えてるとつかさはここにいることを感じられる。
どうなるかわからないけど、僕はこれから生きていく

(ウル覚えなので順番も言葉も正確じゃないからちゃんとしたのどこかにないかしら)
 
カット一つ一つに無駄なんてない。全てに意味があるって昔学校の授業で教えられたんだけど、心情を言葉だけじゃなくて風景や仕草からも感じられる映画を観ると、いつもその言葉を思い出す。

それにさー、笑いもあるしつかさの強気な性格がさなんかグッとくるんだよね。
感想が映像の作りばっかになっちゃったけど、そういう風に映画見るのが好きだからとても楽しかった。楽しかったってなんか不釣り合いな言葉なんだけど、でも感動したとかそういうのもなんか違う気がして。

出会ってなかったらという言葉を思い出すと永遠のifがそこにあって、思い出すと涙腺緩む。

そして、本命のエンドロール。
大好きな大好きな安室奈美恵姫の「TSUKI」が流れる。

思ってたよりじわーーーと泣くとかなかったけど、なんでTSUKIがどストレートなバラード調ではなく、ミドルテンポなのか。何故ベース音が徐々に大きくなりドラムの音が増えていくのか。
映画見る前から考えてたんだけどそれは、聖者の行進、生きてく歩みを表現してるんじゃないかと思ってた。(ヒッキーがリズムのことをそう言ってたんですけどね)だから最後のまーさんのセリフとエンドロールを見て、TSUKIはほんとに良い主題歌だったって感じられた。
トライアングルのような音がつかさ、リズムがまーさん。

本物のまーさんはこの歌をどうやって聞いてるのだろうか。私は安室奈美恵のファンだからものすごく良い物にしか聞こえないけど、もしもこの声をつかさと感じていたとしたら永遠のifから少しは救われていればいいなと思った。

歌詞もありきたりというかひねりがないとか思ってたけど、だからと言って不評と捉えるのはあまりにも自分の想像力がなさすぎる。

音楽に関して、ヒッキーが昔こんなこと言ってた。
メロディーは、誰かの心の原風景。懐かしい場所からのメッセージ。
リズムは、死へ向かう生命の行進の音。
歌は祈り、願い、誓い。
音楽は、慈悲。
それ以上、音楽の難しいことは知らなくてもいいと思う。

この言葉を知ってから、トラックに耳を澄ませたり歌詞に対しての偏見が取れて音楽の聞き方が変わったというか楽になった。こういう風に考えてると陳腐な歌詞って言葉を使ってた自分がどれだけ心狭かったことか。

それに、なみーが自分以外のために歌う(映画の主題歌というオーダー)のに何を考えたのかとかそんなのを考えて聞くと、ママなみーや女なみーが共存してたりするじゃん。

MVに関しては、TSUKIなのになんで雪の世界なのか。映画の舞台が網走という寒い地域とう共通点。(奈美恵がゆく、湯けむり温泉ツアーとうい視点も忘れちゃいけない)

何度でも、どの角度からでも美味しくいただけるTSUKIがスルメすぎる。
そしてNSKDがとても可愛かった。

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